授乳期に摂取をお勧めする栄養素と食事

執筆者:小原 水月

赤ちゃんが生まれるとすぐにお母さんは授乳が始まります。赤ちゃんの食事をお母さんの体から作り出すのです。このとき、お母さんの食事は妊娠中と同じでよいのでしょうか。ここでは授乳期にお勧めの栄養素と食事についてお伝えします。

■まずはエネルギーをしっかり摂りましょう

エネルギーは生きていくうえで大切な活動の源で、キロカロリー(kcal)の単位で表されます。このためエネルギーのことを「カロリー」と呼ぶことが多いようです。

授乳期には母乳を作るためにカロリーが必要とされ、妊娠前に比べ+350kcal/日が基準とされています。妊娠中に増えた体重を戻さなければ、と食事を減らしたくなるかもしれません。けれどお母さんは授乳期に母乳を作り出すために膨大なカロリーが必要とします。妊娠中に蓄えたエネルギーだけではたりない、ということでプラスに摂る量が決められているのです。

授乳期にカロリーが不足すると母乳が充分に作れないだけでなく、妊娠・出産で消耗した体の回復が遅くなったり赤ちゃんのお世話をするパワーがでなくなったり、蓄えた脂肪を消費することもできなくなりかねません。授乳期には赤ちゃんのためにもあなたのためにもしっかりとカロリーを摂りましょう。

■カロリーをもつ栄養素

食事には様々な栄養素が含まれていますが、カロリーをもつ栄養素は3つだけです。それはタンパク質、脂質、炭水化物。それぞれ説明します。

・タンパク質

タンパク質は体を作るのに欠かせない栄養素です。皮膚や筋肉、内蔵、神経、血液、髪、爪に至るまで全てタンパク質で作られています。母乳は血液から作られますので授乳期に重要な栄養素だとわかります。タンパク質を多く含む食品は肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などです。

・ 脂質

脂質は体をつくる材料にもエネルギーにもなる栄養素です。脂質は脳や細胞膜、ホルモンの材料になります。さらに内蔵の周りや皮膚の下に蓄えられ、貯蔵エネルギーとしての働きもあります。母乳のおよそ半分は脂質ですから授乳期には欠かせません。脂質が多く含まれる食品は油脂、脂肪の多い肉・魚、乳製品、ナッツなどです。

・炭水化物

炭水化物はエネルギーになる栄養素です。人が生き、動くためのエネルギー源となり、体温維持にも欠かせません。赤ちゃんをだっこするのも、オムツを替えるのもこのエネルギーを使っています。炭水化物が多く含まれる食品はごはん、パン、麺類、芋類などです。

■どう食べるかも大切

同じカロリーならタンパク質100%や脂質100%の食事でもよいかというとそうではありません。割合の目安が決められています。

タンパク質:15〜20%

脂質:20〜30%

炭水化物:50〜65%

数字だとイメージしづらいかも知れません。実際の食事では

ごはん:おかず=6:4

一汁一菜になります。炭水化物の供給源となる主食を中心とした食事です。低糖質ダイエットの流行以降、ごはんなどの炭水化物を摂ることに抵抗感をもつ人もいるかもしれません。しかし授乳期にはごはんなどの主食を中心とした食事が最もバランスがよいとされているのです。

■ 授乳期のハチミツ

赤ちゃんにハチミツを食べさせてはいけないというのは聞いたことがあると思います。では授乳期のお母さんは?答えは、食べてもよい、です。ハチミツの中にいるボツリヌス菌による食中毒が心配されるのですが、大人の腸内では、ボツリヌス菌が他の腸内細菌との競争に負けてしまので問題ありません。

ただ、赤ちゃんの場合、まだ腸内環境が整っておらず、ボツリヌス菌が腸内で増えて毒素を出すため、健康を害することがあります。1歳未満の赤ちゃんにハチミツやハチミツ入りの飲料・お菓子などの食品は与えないようにしましょう。

■しっかり食べて穏やかな授乳期を

授乳期にはカロリーを増やす必要があり、そのためにはごはんなどの主食を中心とした食事が理想的だということをお伝えしました。正しく食べて赤ちゃんもお母さんも穏やかに過ごしてくださいね。

■参考資料

厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586574.pdf

文部科学省:食品成分データベース
https://fooddb.mext.go.jp/result/result_top.pl?USER_ID=12075

厚生労働省:ハチミツを与えるのは1歳をすぎてから
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000161461.html

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