足のむくみの原因、足がつる原因
食の栄養素でカラダすっきり!健康と美容を手に入れよう!
“美”と“健康”の『鍵』は“ミネラルバランス”
足のむくみの原因
朝起きると顔がむくんでいたり、夕方になると足がパンパンになったりと、女性は特にいつも気になっているのが“むくみ”(浮腫)です。むくんでしまう原因には、 “ミネラルバランス”の偏りや冷え、長時間座りっぱなし・立ちっぱなし等が挙げられます。
そこで、“むくみ予防”に効果の期待できる栄養素や食品をご紹介します。ぜひ毎日の食事の中に取り入れて、むくみ予防に役立ててみて下さい。
むくみ(浮腫)の正体は!?
“むくみ”とは細胞外液(細胞と細胞の間にある組織間液と血漿)のうち組織間液が過剰に増加した状態です。
栄養素や酸素と一緒に運ばれたカラダの水分が、静脈やリンパ液の中にスムーズに回収されなくなるために起こります。
主な原因は、“ミネラルバランスの偏り”です。病気によって起こる場合や、女性では更年期、妊娠が原因となることもあります。
なぜ“ミネラルバランス”が大切なのか!?それは、私たちのカラダを作るミネラルの一種、 “ナトリウム(Na)”と“カリウム(K)”に『鍵』があります。
“ナトリウム(Na)”はカラダの水分を貯め込む作用を持ち、その“ナトリウム(Na)”の排泄を促す作用を持つのが、“カリウム(K)”という“ミネラル”です。
“足のむくみ“にはナトリウム”と“カリウム”の“ミネラルバランス”がとても重要だということです。
足のむくみに注意が必要な栄養素!”ナトリウム(Na)“
“ナトリウム(Na)”は人体に必要な“ミネラル”の一種ですが、過剰摂取によって“むくみ”の原因となります。
“ナトリウム(Na)”は主に食塩の形で摂取されます。食塩1gは水約125mlを体内に引き込む作用があるため、食塩の過剰摂取が”足のむくみ“に繋がるのです。特に塩分に注意が必要なのは、ラーメンを食べるときにスープまで全部飲む方です。ラーメン1杯には“食塩”6g〜10g含まれ、スープを残すことで塩分摂取が約半分になります。ラーメンのスープを飲まないだけで、”足のむくみ“は軽減されるかもしれません。
“食塩”の目標値
男性:1日7.5g未満、女性:1日6.5g未満 へと2020年度 日本人の食事摂取基準(厚生労働省)の目標値が再設定されました。これは“食塩(ナトリウム:Na)”の過剰摂取が“むくみ”だけではなく、さまざまな生活習慣病のリスクを引き上げるからです。
*食塩1g=ナトリウム(Na)約400mg
◎塩分が多く注意が必要な食品・・・しょうゆ・みそ・ソースなどに含まれる調味料や加工品など
(漬物やお味噌汁を3食取り入れる方は特に注意が必要)
◎塩分を使わない工夫:カレー粉・酢・辛味調味料(七味など塩分なし)で味付け!
(塩分少なくでも、十分に味を感じて食事に満足感が出ます。)
“むくみ予防”に大切な栄養素!“カリウム”(K)
“カリウム(K)”は人体に必要なミネラルの一種で、浸透圧の調整などの働きをします。
“ナトリウム(Na)”を排出する作用があるため、塩分の摂り過ぎによる“むくみ”を調節する上で重要です。
“カリウム(K)”には、余分な水分を排泄されることで“ナトリウム(Na)”ポンプを正常に機能させる働きがあり、食塩に含まれる“ナトリウム(Na)”と体の中でバランスをとっています。そのため、”ナトリウム(Na)”の尿中排泄を促す”カリウム”(K)の摂取が、むくみ予防には重要と考えられています。また、近年、 “カリウム(K)”摂取量を増加させすることによって、血圧の低下、脳卒中予防につながることが研究によって示唆されています。
“カリウム(K)”は大量に摂取した場合でも体内の調節機構が働くので、通常、カリウムが過剰になることはまれであると言われていますが、腎臓病などの持病をお持ちの方は、医師または管理栄養士に相談してください。
◎カリウムを多く含む食品・・・生野菜・生の果物・海藻類・大豆
野菜では特に芋類や夏野菜(トマト)
果物では夏果物(バナナ・メロン・スイカ)など
*Point*
カリウムは水溶性なので効率的に摂取可能なのは生食です。
芋類は茹でても“カリウム”の減少率は少ないため、熱を加えたメニューで効率的に“カリウム”を摂りたい場合は、芋類の使用がオススメです。
お手軽メニュー:バナナジュースなどの、生のフルールジュース
また気軽に摂取する方法として、青汁などの健康食品もカリウム摂取には効果的です。
足がつる原因
ふくらはぎの筋肉が突然つって痛むのは“足のつり”(こむら返り)です。運動中や睡眠中に耐え難い激痛に見舞われた経験は、誰しもあるのではないでしょうか。
原因には、“むくみ”と同様に“ミネラルバランス”の偏りや水分摂取不足、日常的な姿勢や動作、運動不足、冷え等があげられます。そこで、“足のつりを予防”するために積極的に摂取したい栄養素や食品をご紹介します。
毎日の食事の中に取り入れて、“足のつりを予防”するために役立ててみて下さい。
足のつる(こむら返り)の正体は!?
足が突然つって痛む正体は“筋肉の過剰収縮と硬直”です。
“足のつり”を防ぐために重要なのは、まず日々の食事でバランスよくミネラルを摂取することです。
“足がつる”原因も体の“ミネラルバランス”の崩れによるもので、多くはカリウム(K)・マグネシウム(Mg)・カルシウム(Ca)不足が考えられます。これらのミネラルは、筋肉や神経の動きを調整しているので、なんらかの原因で“ミネラルバランス”が乱れると、筋肉の異常興奮(痙攣)が起こるのではないかと推測されています。
足のつりに注意が必要な生活習慣と栄養素!3つのタイプ
欧米型の食事:マグネシウム(Mg)・カリウム(K)の不足
マグネシウム:筋肉の収縮をコントロールなど
◎“マグネシウム(Mg)”を多く含む食品:素干しわかめ、ホウレン草、納豆、アーモンドなど
(推奨量 男性30~64歳 370mg/日 女性30~64歳 290mg/日)
カリウム:神経伝達、筋肉の収縮などに関係し、筋肉の動きをコントロールなど
◎“カリウム(K)”を多く含む食品:生野菜・生の果物・海藻類・大豆
野菜では特に芋類や夏野菜(トマト)
果物では夏果物(バナナ・メロン・スイカ)など
(目標量 男性15歳以上 3000mg/日以上 女性15歳以上 2600mg/日以上)
*Point*
『朝食に納豆!運動前にバナナを食べよう』
妊娠中・更年期の女性:カルシウム(Ca)の不足
カルシウム:神経伝達、筋肉の収縮など
◎“カルシウム(Ca)”を多く含む食品:牛乳、プロセスチーズ、小松菜、木綿豆腐、煮干しなど
(推奨量 男性30~74歳 750mg/日 女性15~74歳 650mg/日)
*Point*
『寝る前にコップ一杯の牛乳を飲む』
激しい運動・炎天下での作業:ナトリウム(Na)の不足
ナトリウム:体の水分量や浸透圧の調節、神経伝達、筋肉の収縮など
(目標量 男性15歳以上 7.5g/日未満 女性15歳以上 6.5g/日未満)
*Point*
『大量に汗をかいたら補水液を1杯』
*自家製補水液の作り方*
・水1L
・塩2g
・砂糖40g(砂糖の量は30〜60g間で調整)
・レモン(お好みで)
・酢(お好みで)
*常用は塩分・糖分の摂りすぎになるので注意を!!
サプリメント・漢方でさらに“足のつり予防”・“つった時の対策”!!
頻繁に“足がつる”場合は、サプリメントや漢方薬を試してみるのもいいでしょう。漢方薬では、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)が筋肉の痙攣性の痛みに効果があります。しかし、人によって副反応が生じることがあるので、高血圧や腎臓病などの持病をお持ちの方はかならず医師や薬剤師、管理栄養士に相談してください。
*腎臓病などの持病をお持ちの方は、医師や薬剤師、管理栄養士に相談してください。
*ミネラルが大切だからと、特定の食品ばかりを取り続けると、かえってミネラルバランスを崩すことになりかねませんので注意してください。
まとめ
足のむくみの原因、足のつる原因は共に“ミネラルバランス”が重要だということです。食の栄養素で健康や美容を手に入れることは、今日から始められます!皆さんも偏りのない食生活を心がけ、“ミネラルバランス”を良好に保ち、“足のむくみ”や“足のつり”を予防していきましょう。
参考文献
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)
e-ヘルスネット厚生労働省
『病気が見える vol.8 腎・泌尿器』(メディックメディア)
臨床栄養 118巻3号 p.250-256
国立健康・栄養研究所
『こう怖くない!筋肉のつり こむら返り 痛みの原因と対処法を徹底解説』著・出沢明