国民栄養調査から言える日本人の慢性的な食物繊維不足について

執筆者:大賀 早希

食物繊維ってよく聞くけど、そんなに重要なの?

野菜食べているから大丈夫でしょう?

と思っている方、本当に食物繊維足りていますか?食物繊維の重要性、摂取状況などから今一度自分の食生活を振り返ってみましょう!

 

【不足している食物繊維摂取】

 飽食の現代、摂取過剰の栄養素が多くある中、食物繊維の摂取量は不足しています。厚生労働省の“日本人の食品摂取基準2020”によると、1日の食物繊維の目標量は男性20g以上、女性18g以上(18~69歳)とされています。これに対し平成30年国民健康・栄養調査によると、1日の食物繊維摂取量の平均は男性15.3g、女性14.7g(20歳以上)と目標量に達していません。

食物繊維はとってもとらなくても関係のない栄養素と考えられていた時代もありましたが、現在では様々な機能性が明らかになり、第6の栄養素と言われるまでに重要性が見直されている大切な栄養素です。

 

【食物繊維の重要性】

 食物繊維の有用性については数多くの研究があり、以下のような疾患や生体指標に有意な改善がみられたという報告がなされています。

・体重

・血中総コレステロール

・LDLコレステロール

・トリグリセライド

・収縮期血圧

・空腹時血糖

 これらに改善が見られる可能性がある食物繊維は、生活習慣病が日本人の死因の

半数以上を占めている現在で、とても重要な栄養素であることがわかります。

 

【水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の違い】

食物繊維には大きく分けて水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。

 

水溶性食物繊維の特徴は

  ・粘着性・吸着性

  ・ネバネバ・ドロドロ

 などがあり、果物に含まれるペクチンや大麦に含まれるβグルカン、昆布やわかめに含まれるアルギン酸といった種類があります。

水溶性食物繊維は糖質やコレステロールの吸収を遅らせたり阻害することで、それらの症状の予防効果が期待できます。

 

一方、不溶性食物繊維の特徴は

  ・保水性

  ・便量アップ

  ・腸壁刺激による便通改善

などがあり、穀類や豆類に含まれるセルロース・ヘミセルロースやエビ・かにの甲羅に含まれるキチンといった種類があります。

 

不溶性食物繊維は便秘改善に効果があるといわれています。また、発がん物質を吸着させることで大腸がんの予防にも有用であると言われています。ただし、不溶性のみを摂りすぎると逆に便秘になる可能性もあるので注意が必要です。

 

どちらの食物繊維も善玉菌のエサになり、腸内環境を改善します。一つの食品にどちらかの食物繊維が含まれているのではなく、どちらの食物繊維も含まれていて、その相乗効果で腸内環境を良くしています。よって、水溶性も不溶性もどちらも不足なく摂取することが重要です。

国民栄養調査をみると日本人の食生活では、水溶性食物繊維が特に不足傾向にあります。よって水溶性食物繊維が多く含まれる食品を意識することが大切です。

 

【第3の食物繊維】

 近年3つめの食物繊維として注目されているのがレジスタントスターチです。レジスタントスターチとは“消化されないでんぷん”という意味で食物繊維と同様の働きをする糖質のことです。

イモや豆類に多く含まれますが、加熱すると一気に減少してしまいます。しかし再び冷めた状態になるとレジスタントスターチが復活します。生で食べることのできる長いもや、冷ごはんがレジスタントスターチの供給源としておすすめです。

 

【水溶性、不溶性食物繊維が多く含まれる食材や活用法の紹介】

 食物繊維が豊富な食材は、イモ類、海藻類、豆類、穀類、野菜類などがあります。

食材をみると和食によく使われるものが多いですね。最近は便利なレトルト食品やファストフードなどが出回っていますが、そればかりに偏らない食生活を意識しましょう。

 

食物繊維摂取量が減少した背景には、穀物由来の食物繊維が不足したことが大きく影響しています。糖質制限ブームの今ですが、適量の穀物をしっかりと摂りましょう。ごはんは麦ごはんや、もち麦ごはんにすることがおすすめです。麦ごはんには不足しがちな水溶性食物繊維もしっかり含まれており、毎日の食事で無理なく食物繊維が摂取できるのでおすすめです。

 

 野菜を意識しているから食物繊維は問題ない!と思っていても十分量とれていないのが現状です。食物繊維はどの年代も慢性的に摂取不足であることが示されているので、日々食物繊維を意識した食生活をしてくださいね。

生活習慣病の予防の観点からも、これからは食物繊維の重要性がさらに高まると思います。野菜だけではなく穀類や海藻類、果物からの食物繊維も意識してとりましょう。

 

 

参考文献

 国民健康栄養調査、食事摂取基準:厚生労働省HP

 日本人の食事摂取基準2020年版:伊藤 貞嘉、佐々木 敏監修

 最強!毒出しごはん 3つの食物繊維が毒を排出免疫力を高める!:青江誠一郎 

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